科学技術のアネクドート

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2010年は「カップリング」で「2位じゃダメなんですか」な年


2010年の「新語・流行語大賞」の発表が12月1日、ユーキャンによって行われました。大賞は「ゲゲゲの〜」。トップテンには「いい質問ですねぇ」「ととのいました」「無縁社会」などが入りました。

その年の世相を反影するという新語・流行語。科学技術関連のことばはどうだったでしょうか。大賞とトップテンには、科学技術に関連することばはとくに見つかりません。いっぽう、候補語には、こんなことばが見られます。

「(クロス)カップリング」。2010年のノーベル化学賞を受賞した根岸英一さん、鈴木章さん、リチャード・ヘックさんらの研究開発業績として紹介されたことばです。二つの異なる化学物質を結びつけるのがクロスカップリングで、三人は化合物のなかの炭素と化合物のなかの炭素を結びつけることに成功しました。

「3D」。これは、「3 Dimension」つまり「三次元」のことでしょう。映画『アバター』などにより、映像を立体的に見ることが流行しました。これからは、専用のめがねをかけないで、立体映像を見られる技術の開発が進むことでしょう。

「ガラパゴス(ガラケー)」。ガラパゴス諸島の動物たちは、孤島のなかで大陸説は異なる独自の進化をとげました。このたとえから言われたのが「ガラパゴス」。ある国や地域などで独自の技術の進歩をとげ、ほかの国や世界には通用しなくなる現象です。日本の携帯電話の技術進化に、この現象が見られたことから、「ガラパゴス・ケータイ」略して「ガラケー」も流行語として紹介されました。

「生物多様性」と「生きもの会議」。10月に名古屋で「生物多様性条約第10回締約国会議」が開かれました。「生物多様性」は、さまざまな動植物の種類、遺伝子、生態系などが分化している状況を示すことば。その生物多様性に関する条約の締約国が名古屋で会議を開いたのです。「生物多様性」ということばのなじみにくさなどから、マスメディアなどは「国連地球生きもの会議」などの表現を使いました。第11回会議のときに「生きもの会議」が生きているかはわかりません。

「はやぶさ」。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機に付けられた呼称です。2005年、小惑星イトカワにたどりつきイトカワの微粒子を採取。2010年10月に地球に戻ってきました。「はやぶさ」を実際の鳥などに喩える表現も多く見られ、市民の関心もよびました。

そして最後に、「2位じゃダメなんですか」。政府の行政刷新会議の事業仕分けで、仕分け人の蓮舫さんが、スーパーコンピュータ開発予算のあり方をめぐって発したもの。各国間の競争が激しいスーパーコンピュータの技術開発について「2位じゃダメなんですか」。この発言が、研究者側の「研究開発の予算削減を削るな」と主張する動きに火を付けました。しかし、「2位ではダメなのか」という蓮舫さんの問いに対する直接的な答えは、なかなか聞かれません。

科学技術関連の候補語は数個あがったものの、トップテン以上に来るものはありませんでした。なお、「クロスカップリング」の業績を上げた鈴木章さんは、蓮舫さんの「2位じゃダメなんですか」という発言に対して、「科学や技術を全く知らない人の言葉だ」とコメントしています。

主催者による「2010ユーキャン新語・流行語大賞」の結果はなどはこちら。
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