科学技術のアネクドート

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経産省、2030年の“経産省的理想的エネルギー需給の姿”を示す
エネルギーは、石油、石炭、原子力などのように、いろいろなかたちをとることができます。そこで、どのかたちのエネルギーがどれだけ使われるのかを構成比で示すことができます。

経済産業省は、2010年7月、「2030年のエネルギー需給の姿」という資料を発表しました。

ここには、まず「一次エネルギー供給」としての、エネルギーの構成比が掲げられています。一次エネルギーとは、自然界に天然のかたちで存在するエネルギー源のこと。変換や加工されたかたちである電気、都市ガス、ガソリンなどの二次エネルギーと対比して使われることばです。


一次エネルギー供給

日本での一次エネルギー供給の2007年度の実績と2030年の推計を比べてみると、まず全体の供給量が減る推計がされています。

ただしこれは、ほかの団体が推計している一次エネルギー需給見通しからすると、省エネルギーがかなり進展した場合の状況といえそうです。たとえば、日本LPガス協会は「2030年度省エネ進展」というモデルで、2030年度の一次エネルギー供給を5億3600万原油換算キロリットルと見通していますが、いっぽう、経産省の2030年推計は、これをさらに下回る5億1700万キロリットルとしています。

一次エネルギー供給とはべつに、「電源構成」という点から見た構成比のグラフもあります。これは、二次エネルギーの代表格である電力が、どんな一次エネルギーによってつくられるかの比を示すもの。一次エネルギーにおける電力の比率は、1990年以降だいたい4割ほどで、すこしずつ割合は増えています。2007年度は44%。

電源構成の構成比は「設備容量の内訳」と「発電電力量の内訳」という2種類にわかれます。

設備容量の内訳

設備容量とは、発電することのできる“最大能力”を示す値。設備容量の内訳を見ると2007年度では、水力発電を含む再生可能エネルギーは21%、原子力は20%、石炭は16%、LNG(液化天然ガス:Liquefied Natural Gas)24%、石油など19%となっており、これらの要素別で見ればバランスがとれているといえます。

いっぽう、2030年度の設備容量の内訳では、再生可能エネルギーの設備容量がおよそ2.5倍、構成比にしておよそ2倍になることが掲げられています。原子力も設備容量そのものは増えることを見込んでいます。対して、地球温暖化につながるとされる化石燃料の発電能力に対しては、いま以上は頼らないようにしようしています。

発電電力量の内訳

電源構成のうち「発電電力量の内訳」のほうは、実際の発電によるエネルギーの量を示すもの。2007年度の実績では、再生可能エネルギー9%、原子力26%、石炭25%、LNG28%、石油等13%となっています。

いっぽう、2030年の推計では、再生可能エネルーは約2割、原子力は約5割、石炭は約1割、LNGも約1割、石油等は0に近い比率が掲げられています。

経産省は、再生可能エネルギーと原子力を「ゼロエミッション電源」として強調します。これは、ゼロエミッションとは、環境に負荷をあたえるような排出物を出さないこと。「ゼロエミッション電源」は、温室効果ガスとされる二酸化炭素などを出す化石燃料と対比して使われています。

政府の省庁のうち、原子力を後押しする役割をおもに担っているのは経産省。2030年度の推計を見ると、ゼロエミッション電源のなかでも、原子力に対して力を入れていこうとする姿勢がうかがいしれます。

なお、資料の冒頭には「本資料は、経済産業省が独自に試算した結果を参考資料として提示するものであり、『エネルギー基本計画』閣議決定の前提・根拠ではない」という注意書きがあります。

参考資料
経済産業省「2030年のエネルギー需給の姿」
日本LPガス協会「LPガスの概要」(2005年2月)データ
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