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国立公文書館が路線図広告を出稿


都営地下鉄の窓上広告には、沿線の路線図をつかったものがあります。

広告のまんなかには路線図があり、それぞれの駅の表示のかたわらに、地元にちなんだ広告主がおなじ面積で広告を出している、といった種類のものです。

ここに広告原稿を出している広告主は、たいてい私立学校、専門学校、あるいは開業医など。「あなたの街にあります」といったことを宣伝するためのものでしょう。

そうしたなかで、ひとつ毛色のちがう広告があります。国立公文書館の広告です。

国立公文書館は、重要な公文書を保存管理するための独立行政法人。公文書とは、国や地方自治体などの機関や公務員が仕事のうえでつくった文書のことです。国立公文書館では、おもに総理大臣が国の機関から「あずかってください」と移管を受けた重要な公文書が扱われます。

地下鉄の広告のうち、国立公文書館は皇居の北側にあるため、神保町駅の近くに広告を掲載しています。その内容は「デジタルアーカイブ」。

国立公文書館のデジタルアーカイブは、所蔵している歴史公文書などの目録情報の検索と、原本のデジタル画像の閲覧ができるインターネットのサービス。

たとえば「長崎」などと鍵のことばを入れると、長崎に関係する公文書の一覧が示されます。

1949(昭和24)年の閣議資料として「広島平和記念都市および長崎国際文化都市の建設について(建設省)」といった文書や、1959(昭和34)年に次官会議の資料としてつくられた「長崎大学長北村精一の海外出張について(文部省)」といった資料が検索され、その件名・細目詳細情報と、場合により現物の写真画像を見ることができます。ほかにも1876(明治9)年に法務省長崎裁判所福岡支庁がつくった「断獄表」といった古い文書も。

国立公文書館は、こうしたデジタルアーカイブのサービスを2005年から始めましたが、2010年3月にリニューアル。国立公文書館の地下鉄広告は、その一環としての位置づけもあるのでしょう。

ちなみに広告の惹句は、「歴史公文書をお好きな時に、お好きな場所で」。

神保町で降りなくても、公文書館の機能の一部を市民が享受できることを宣伝したものです。場所を選ばないことを宣伝する広告が路線図広告にある点に違和感を覚える人もいるかもしれませんが、国立公文書館が「デジタルアーカイブ」のサービスをしていることは伝わります。

国立公文書館「デジタルアーカイブ」はこちら。
デジタルアーカイブリニューアルのお知らせはこちら。
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