科学技術のアネクドート

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更科藤井のカレー南ばん――カレーまみれのアネクドート(19)


北陸・金沢の街にかかる犀川大橋の北詰、片町の繁華街に蕎麦屋「更科藤井」はひっそりとたたずんでいます。

「蕎麦屋とは思えぬ居酒屋風情」とよく評されるこのお店。かつては蕎麦屋こそが酒を呑む店だったことを考えれば、「居酒屋風情がいまも残る蕎麦屋」といったほうがふさわしいのかもしれません。

もちろん蕎麦屋なので蕎麦の献立は揃っています。かけそば、たぬきそば、しいたけそば、たまごそば……。

カレー南ばんもあります。店の名物ではなく、品書きの一番下にそっと書かれている存在。

店は広くありません。カレー南ばんを頼めば、やさしいカレーの香りが店内を漂ってきます。

注文して5分。小振りながら底の深い器に入ったカレー南ばんのできあがり。机にある七味はお好みで振りかけます。

濃厚なカレーの汁の中に、鶏肉が浸かり、青々とした柔らかいねぎが散りばめられています。その下で待ち構えるのが細い蕎麦。大将の話によると、打っているのは「外二(そとに)」。つなぎの小麦粉とメインのそば粉の割合が二対八の「二八」でなく、二対十の比率のためこのように呼ばれています。

蕎麦をずずっとそそると、麺にカレーの汁が追いついてきます。食べ終わるころには、自然と汁はほとんど残っていません。

「今日は雪が降って外は寒いでしょう。こんな日は、ちょっと濃いめのカレー汁をつくるんです」とは、大将のことば。

深夜遅くまで店の明かりは灯っています。カレー南ばんが、金沢の夜を温めます。
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