科学技術のアネクドート

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「アネクドート」


知り合いの毎日新聞社の社員のNさんから、「『アネクドート』という言葉が『余録』に使われてるよ」と、紙面を送ってくださいました。余録は、朝刊一面下のコラムです。Nさん、毎度ありがとうございます。

「アネクドート」とは、広くは「逸話」「奇談」のことを言います。とくにどの地方・時代の「逸話」「奇談」かというと、ロシアもとい旧ソ連のの体制下での「逸話」「奇談」を言います。「社会主義体制下で、検閲をかいくぐって盛んになった一種の民衆的フォークロア」と、三省堂の辞書にはあります。

ここ数日間で、「余録」では、二つの記事に「アネクドート」が載ったようです。

5月26日の余録では、ロシア語訳者の米原万里さんが永眠したことを悼んで、生前に米原さんが「余録」の記者に紹介したアネクドートを披露しています。
ガガーリンが地球に帰還すると共産党の書記長から電話があった。「頼むから神様に会ったのは内緒にしてくれ」。すぐローマ法王からも電話が来た。「どうか神様がいなかったのは内緒にしてくれ」
また、5月31日の余録で、「アネクドート」という言葉がどう使われているかといいますと…。
シベリアの強制収容所に新入りがやってきた――
「おい、おまえは何をやってたんだ?」
「ノルマが達成できなかったんだ」
「仕事は?」
「消防士さ」
――旧ソ連のアネクドート(笑話)には「ノルマもの」がかかせない▲
とあります。ノルマ超過達成競争は「徒労」を指す言葉になり、「ノルマどおりにやったほうがいい」はたまた「ノルマ達成をうまくごまかせばいい」となっていった、とのこと。旧ソ連のシステムの矛盾の本質をついていますね。

余録はその後、最近日本で起きた損害保険会社の保険料立て替えの不祥事に言及。背景にノルマ主義があるとして、「アネクドートにもならないいじましいノルマ達成の偽装工作である」と綴られています。この「余録」自体がアネクドートですね。

「科学技術のアネクドート」では、風刺や批判の域まではなかなか到達できていない点もあり、また、笑いを取ったつもりがたぶん外しているときも多いと思いますので「小話」というニュアンスが強いと思います。

これからも、「こんな話を聞いたから、聞いてよ」という思いをスタンスに、「アネクドート」を続けて参ります。

アネクドートを研究している北海道大学の方の論文をサイトで発見しましたので、紹介します。こちら。
http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/publictn/76/32-45.pdf
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