科学技術のアネクドート

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不朽のカレー新書、カレー選書、カレー小説――カレーまみれのアネクドート(17)
 本には、出版から何年経っても色あせない定番があります。これはカレー本の世界にもいえること。不朽の名作を、新書・選書・小説から。


『カレーライスと日本人』は、写真家でありジャーナリストである森枝卓士さんが著した新書。

カレーについてあれこれ思い浮かんだ疑問を解くため、森枝さんはまず本場インドへ向かいます。そして、日本式カレー輸入元の英国へに足をのばします。旅先で入手した情報を携え、いよいよ日本人とカレーの関係をひもといていきます。

日本人の食文化にいまや深く浸透したカレーの歴史を、その源流インドから大河を下るように、見渡していくことができるつくり。

日本人にはカレーの原風景なるものが共通項的に存在するのでは、という思いを読者に抱かせる一冊。


『カレーライスの誕生』は、食文化研究家で2005年に亡くなった小菅圭子さんが遺した一冊。文明開化期、日本にカレー文化が輸入されたころからいまにいたるまで、ジャパニーズカレーの歴史が詰まっています。

近代化の歩みとともに日本は、カレーパン、カレーうどん、ドライカレー、レトルトカレーといった、カレーの新商品を生みだしていきました。これら“発明”の裏側にあった人々の試行錯誤のドラマを生き生きと紹介しています。

カレーうどんやカレーパンといった定番の仲間入りを果たすような、カレー加工品が近ごろはなかなか出てきません。ド定番となっているカレー商品には、その裏打ちとなる開発努力があったことを読者は思い知らされることでしょう。


『カレーライフ』は、小説家・竹内真さんによる青春小説。

主人公のケンスケは就職を間近に控えた19歳。父が死ぬ間際に病床で一言「お前はカレー屋を開くつもりなんだろう」と告げます。それは、洋食屋を営んでいた祖父が死んだとき、ケンスケたちがいとこ同士で「大人になったらカレー屋になろう」と誓った約束だったのでした……。

ケンスケは、アメリカへ、インドへ、沖縄へ。世界各地で暮らすいとことの再会を求める旅へ出ます。各地のカレーの美味しそうな描写が相まみえます。

いとこどうしが、カレーの具よろしく、様々な性格を発揮しながらカレー屋のオープンに向けて一致団結していく姿がすがすがしい。

『カレーライスと日本人』はこちらで。
『カレーライスの誕生』はこちらで。
『カレーライフ』はこちらで。
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