科学技術のアネクドート

おおもとの考え軸に「持続可能な開発のための教育」を

写真作者:ajari

「持続可能な開発のための教育」(ESD:Education for Sustainable Development)を意識しておこなっている学校が増えてきたといいます。

文部科学省は、持続可能な開発のための教育を「地球に存在する人間を含めた命ある生物が、遠い未来までその営みを続けていくために、これらの課題を自らの問題として捉え、一人ひとりが自分にできることを考え、実践していくことを身につけ、課題解決につながる価値観や行動を生み出し、持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動」としています。もともと2002年にヨハネスブルグで開かれた国際連合の「持続可能な開発に関する世界首脳会議」で日本が提唱したものとされます。

文部科学省のこの説明だと、教育をする先生も、教育を受ける子どもたちも、「なんだかたいへんそう」と感じ、興味が薄れてしまうかもしれません。

「持続可能な開発」は、「これからの環境や利益を損なわない範囲で、社会を発展させていきましょう」ということをおおもとにした考えかたです。べつのいいかたをすれば「行きすぎたことをしつづけると、とりかえしのつかないことになりますよ」ともいえます。これこそが、「持続可能な開発」という考えを身につけるときの本質的な考えかたになるはずです。

いっぽう、文部科学省が掲げる、持続開発な可能のための教育における「育みたい力」には、「非排他性」「機会均等」「コミュニケーション能力」「リーダーシップの向上」なども入っています。持続可能な開発の本質よりももっと広い考えを、この教育で育ませようとしていることがわかります。この「育みたい力」の広さは、国連や加盟国の多くが達成しようと推しすすめている「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)の対象の広さと合っていそうです。「世の中をよくすることにつながりそうなことを育みましょう」というねらいを「持続可能な開発のための教育」ということばに大きく負わせているともとれます。

いま、小学校、中学校、高校などでは、総合的な学習の時間などで「持続可能な開発のための教育」を意識した授業もされているといいます。

「これからの環境や利益を損なわない範囲で社会を発展させていきましょう」という持続可能な開発のおおもとの考えからは離れず、それを軸にして、子どもたちにこの考えかたを身につけさせることが、まずもって「持続可能な開発のための教育」で求められるのではないでしょうか。おおもとにある考えを身につけてこそ、先生も子どもたちも持続可能な開発のための教育をする意味を見いだせるというものです。

小学生ぐらいの子どもに、「持続可能な開発」や「持続可能性」という考えかたを、身近なことがらを例に身をもって学ばせるというのは、たいへんなことではあるでしょうが。

参考資料
文部科学省「ESDとは」
http://www.esd-jpnatcom.mext.go.jp/about/index.html
デジタル大辞泉「ESD」
https://kotobank.jp/word/ESD-430060
大辞林第三版「持続可能性」
https://kotobank.jp/word/持続可能性-282469
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