科学技術のアネクドート

ウチワサボテンにも新たな葉


きょう5月4日は「みどりの日」。いたるところに見られるみどりを見つめ、みどりに親しむ心をあらたにしてみてはいかがでしょうか。

5月はさまざまな植物に若葉が生えはじめる時期。観葉植物の代表格であるサボテンも例外ではないようです。

サボテン科は、葉状の葉をもつコノハサボテン亜科、うろこ状の葉をもつウチワサボテン亜科、まったく葉をもたないハシラサボテン亜科の3群に分けられます。写真のサボテンは、ウチワサボテン亜科のもの。みどりの部分の茎がうちわのように平べったいサボテンはウチワサボテン亜科とよばれています。

この大きく平べったい茎の部分から、小豆色の小さな突起が束になり、ぽつぽつぽつと噴きでています。これこそが、サボテンの「うろこ状」の葉です。

うろこ状の葉をいくつももった“噴きでもの”のつけねの部分は、成長していくにつれてそれぞれ茎になっていきます。こうして茎から新たな茎が生じて、ウチワサボテンは大きくなっていきます。

いっぽう、新たな茎の先にある数々の葉は、ときが経つとやがて落ちてしまいます。しかし、落ちていく葉のすぐ脇には棘の生じる器官である「刺座」があり、そこからは棘が生えてきます。

こうして、茎は増えていき、ウチワサボテンは大きくなっていきます。

人の眼から見たら、大きなうちわ状の茎の先に、小さなうちわ状の茎が乗っかっているサボテンの姿は、ウサギの頭と耳のようなかたちになることもあり、かわいらしく感じられます。しかし、サボテンからしてみれば、こうして自分の生きるための可能性を(たぶん)必死に広げていっているわけです。

参考資料
百科事典マイペディア「サボテン(仙人掌)」
https://kotobank.jp/word/サボテン%28仙人掌%29-838077
ウィキペディア「ウチワサボテン亜科」
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウチワサボテン亜科
世界大百科事典「刺座」の言及
https://kotobank.jp/word/刺座-1330062
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