これまでの「カレーまみれのアネクドート」はこちら。
「家電量販店の白物家電コーナーにカレーが売っている」といったら驚きでしょうか。実際、炊飯器の売り場には、「バルミューダ・ザ・カレー」というカレーソースが売られています。
バルミューダは、おもに家庭用電器製品を開発・製造する新興企業。トースター、電気ケトル、オーブンレンジなどを販売するなか、電気炊飯器「バルミューダ・ザ・ゴハン」が人気を集めています。炊く米をあえて踊らせず、蒸気で炊きあげる方法で「土鍋よりおいしいごはん」を実現しようとしました。
この電気炊飯器と組みあわせるとよいカレーを念頭に、バルミューダはカレーソースも販売しているというわけです。
とはいえ、カレーをつくるのにふさわしいのはカレー屋。同社は、東京・湯島などに店を構えるカレー料理専門店「デリー」の協力を得て、この「バルミューダ・ザ・カレー」を誕生させました。家庭用電気製品を手がける企業のカレーが電気炊飯器のすぐ横で売られているわけです。
1箱で2皿分。カレーソースのみで、肉や目に見える野菜などは入っていません。この点は、デリーが持ちかえり用に売っている各種カレーソースとおなじです。「バルミューダ・ザ・カレー」については、「山ほどの玉ねぎを炒め抜くところ」から始め、繊細に重ねたフレーバーなどを「特別な製法で損ねることなくそのままパッケージに封入」しています(バルミューダサイトより)。
「つくりかた」として提案しているのが、鳥もも肉とじゃがいものみを具材としたカレー。塩、こしょう、カレー粉を振った鳥もも肉を炒め、ゆでたじゃがいも一口大に切り、これらをカレーソースに入れて火にかけるという簡単なもの。
味は、デリーのカレーをよく食べている人であれば、なじみあるもの。デリーの「辛さ5」のカシミールカレーよりも辛さは穏やかで、「辛さ3」のインドカレーなみでしょうか。ソースの質も粘り気はまったくない「シャバシャバ系」。これもデリーのカレーおなじみです。
バルミューダがカレーソースを売るようになったのには、「もっと直接的な体験をお客さまに提案したい」という思いがあったようです。デリーに「ダメ元」で連絡したところ、デリーの社長から了解の返事があり、実現したということです。
電気炊飯器を売るだけでなく、それで炊くご飯をどう食べるかまで提案し、その材料まで世に出すというのは、企業の消費者に対する新たな姿勢といえましょう。そうした開発の経緯もふくめて食べると、カレーの味もよりいっそう深いものになるかもしれません。
バルミューダによる「バルミューダ・ザ・カレー」のサイトはこちらです。
https://www.balmuda.com/jp/curry/
2019.03.16 Saturday
「バルミューダ」のバルミューダ・ザ・カレー――カレーまみれのアネクドート(118)
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