科学技術のアネクドート

一体ずつが六つの道を担当


お寺の境内などには、お地蔵さんが六体、並んでいることがあります。いわゆる「六地蔵」です。地蔵菩薩は、お釈迦さまが没してから、弥勒仏が現れるまでのあいだに、人びとを救う役目を果たしているわけですが、どうして六体なのでしょうか。

これは、仏教の思想の「六道」と結びついているとされます。

仏教では、すべての人びとは、六つの世界で生き死にをくりかえしていると考えられています。その六つの世界とは、地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道のこと。地獄、餓鬼、畜生の各道は「悪道」とよばれ、修羅、人間、天の各道は「善道」とよばれます。

この六道のそれぞれを、お地蔵さんが救う役割をもっています。よって、六地蔵では、それぞれの地蔵がひとつの道を担当していると考えることができます。

実際、地獄道は「檀陀地蔵」、餓鬼道は「宝珠地蔵」、畜生道は「宝印地蔵」、修羅道は「持地地蔵」、人間道は「除蓋障地蔵」、そして天道は「日光地蔵」が受けもっているとする場合があります。

六体の地蔵それぞれの表情や姿勢に、それほど大きな差は見られません。「地獄道を担当するのはたいへんだよ」とか「天道は楽しいよ」とか、そういった本音は、そもそもないにちがいありません。

しかし、地蔵ごとに持ちものが異なります。たとえば、地獄道担当は「錫杖(しゃくじょう)」という杖を持ち、人間道担当は数珠を握っているといった具合です。

こうして、弥勒仏が現れる56億7000万年後まで、とりあえずお地蔵さんが六道それぞれで、苦しんでいる人たちを対象に、救ったり、教え導いたりしているわけです。

参考資料
camarade d' art
http://www.geocities.jp/thyda_japan/zizou/
ウィキペディア「地蔵菩薩」
https://ja.wikipedia.org/wiki/地蔵菩薩
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