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チェッコリ、アパチャパ、ビスタ……歌詞にとりわけの意味なし

画像作者:SigNote Cloud

小学生ぐらいのまで子どもは、「なぜ、それを習うのか」や「それがどんな意味をもつのか」といった疑問をさほど抱かず、先生から教わることをすんなり受けいれてしまうものかもしれません。

音楽の授業や、林間学校の準備で、「歌詞の意味がわからない外国の童謡」を念仏を唱えるように歌いこんで、口ずさめるまで覚えてしまったという経験をした人もいるかもしれません。

世代によっては、つぎのみっつの歌はそうした意味不明ながら覚えた歌となっているのではないでしょうか。どうつくられた歌で、どのような意味があるのでしょうか。

「チェッチェッコリ」。歌詞の途中を「二酸化マンガン」と歌って覚えた人も多いのではないでしょうか。一説では、この歌はガーナでの子どもの遊び歌だったとのこと。「二酸化マンガン」の部分は、日本では「リサンサマンガン」と歌われていますが、より原曲に近い歌詞では「コフィンサランガ」(Kofinsa Langa)と歌っているようです。

子どもの遊び歌なので、とりわけ歌詞に意味はないともされます。

「アチャパチャノチャ」。曲名でもあるこの歌詞を2回つづけて歌ったあと、「エベスサデベスサドラマサデ」とつづきます。さらに「セタベラケイセアバチャ」などと歌っていきます。こちらは、北欧のスカンジナビア半島北部からロシアのコラ半島にかけてのラップランド地方に起源のある歌とされます。

やはり、とりわけ歌詞に意味はないようです。

「ビスタ」。こちらは片ほうの膝を両手で叩いて調子をとりながら「クマラ クマラ クマラ ビスタ」「オー ノーノー ノーノダ ビスタ」「エネミニー デセミニー ウワーラウラミニー」などと歌っていきます。お笑い芸人のハリセンボン近藤春菜さんがテレビ番組で紹介したことで、最近また知られるようになったといいます。

やはりやはり、とりわけ歌詞に意味はないようです。

歌詞に意味はなくても、何度も歌っている子どもたちは、いつしか「みんなで歌う」ということの一体感を覚えるもの。これらの歌は、そうした結束心のようなものを身につけさせるものだったのかもしれません。

それとともに、意味のない歌詞の歌でも何度となく歌うことで、何年経っても口ずさむことができるという暗誦の効果を、大人になってから知らせるためのものだったのかもしれません。

参考資料
世界の民謡・童謡「チェッチェッコリ(チェチェコリ)」
http://www.worldfolksong.com/songbook/africa/kye-kye-kule.html
タナナことば研究室「アチャパチャノチャ考」
http://www.tufs.ac.jp/blog/ts/p/tanana/2012/05/post_326.html
なんでもないひ.どっとこむ「『ビスタ』はガールスカウトの歌?歌詞の意味は?」
https://nandemonai-hi.com/bisuta20170902/
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