将棋には「囲い」とよばれる守りの方法があります。自分の玉をほかの駒で囲うようにして守ることをいいます。玉を囲わずに戦うと、玉に対するすきが多いなかで戦うことになるため、一般的には手順はかかっても玉を囲うことが薦められています。
囲いにも、さまざまな駒の置きかたがあります。なかでも最強と評される囲いが「ビッグ4」とよばれるもの。
玉を自陣の隅に移して、ほかの駒で囲う囲いかたを「穴熊」といいます。「ビッグ4」は「穴熊」のひとつ。碁盤の左下隅、9九の位置に玉を移す場合、下のような駒の配置になります。
六歩歩歩
七 銀銀歩
八香金金
九玉桂
9876
いっぽう、碁盤の右下隅、1九の位置に玉を移す場合は、下のような駒の配置になります。
歩歩歩六
歩銀銀 七
金金香八
桂玉九
4321
金と銀という価値の大きな駒を2枚ずつ使って囲うことから「ビッグ4」とよばれます。
敵に縦に攻められたときは、歩やその下にある銀2枚で防御できます。また、横から攻められたときには、金や銀で守ることができます。斜めからの攻撃に対しても、7七(または3七)の銀が斜め前に動け、また7八(または3八)の金が斜めに動けるため、強さを発揮します。
また、金と銀の連結の度合が高いため、この点でも守りが固くなります。さらに、ほかの穴熊でも同様ですが、玉が敵からもっとも遠い位置にあるため、この点でも攻めこまれにくいといった利点があります。
ただし、ほかの囲みにくらべて、「ビッグ4」になるまでに手順がかかるため、陣形をつくっている最中に、敵に攻められて「ビッグ4」づくりどころではなくなる場合もあります。
しかし、プロの将棋でも、羽生善治現竜王(当時の6冠)が、三浦弘行5段(当時)に棋聖戦という大会で「ビッグ4」の陣形をとるなどしたといいます。プロ棋士も「ビッグ4」の強さを認めているということでしょう。
参考資料
初段になるための上達法「囲いを作ることの大切さ」
http://syougi-joutatu.com/syosinsya/kakoi.html
じゅげむの将棋ブログ 2016年5月21日付「将棋で最強の囲いは何か? 囲いの堅さランキング(11種類を徹底比較)」
http://shogijugem.com/kakoi-saikyo-1744
将棋ペンクラブログ 2016年2月15日付「自戦記 羽生善治六冠(当時)のビッグ4と三浦弘行五段(当時)」
https://shogipenclublog.com/blog/2016/02/15/miura-12/
2018.11.04 Sunday
銀2枚と金2枚を並べ盤石の守りに
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