科学技術のアネクドート

(2018年)5月18日(金)は「リスコミセッション」


催しものの案内です。

(2018年)5月16日(水)から18日(金)にかけて東京・有明の東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開かれる「第23回国際食品素材/添加物展・会議」において、最終日の18日(金)15:30より、展示会場内セミナーのひとつとして「リスコミセッション」がおこなわれます。主催は「くらしとバイオプラザ21」。

「リスコミ」とは「リスクコミュニケーション」のこと。一般的に、健康への影響が心配されることがらについて、それに携わる人たちが情報を共有し、意思疎通をはかって対策を進め、リスク低減にとりくむことをさします。

主催のくらしとバイオプラザ21は、社会全体のバイオテクノロジーへの理解を深め、バイオテクノロジーの健全な発展を促進し、社会全体の公益の増進に寄与することを目的とする特定非営利活動法人。この目的のために、一般の人びとに、科学的でわかりやすく、生活者の視点からバランスのとれた情報発信をおこない、また一般の人びとと双方向のコミュニケーションをおこなっています。

例年、同会は「リスコミセッション」を開催していますが、2018年の今回の中心テーマは、遺伝子組みかえ食品。基調講演がふたつあります。

ひとつは、「気になる食品表示制度改正のポイント 遺伝子組換え表示と添加物表示の今後」(仮)という講演で、フード・コミュニケーション・コンパス代表の森田満樹さんが登壇します。

消費者庁は、遺伝子組みかえ食品の表示についての検討を重ねてきました。早ければ、2018年度に食品表示基準が改正されるといいます。検討会は、これまで、遺伝子組みかえ食品の混入率が重量比で5パーセント以下であれば「遺伝子組換えでない」と表示できていたのを、「不検出」に厳格化する報告書をまとめるなどしています。

森田さんのおもな研究領域は、食品表示、食品安全、リスクコミュニケーション。専門家の観点から、食品表示制度改正のポイントが語られそうです。

もうひとつは、「知っておきたい海外の遺伝子組換え食品関連の規制」(仮)という講演で、名古屋大学大学院環境学研究科教授の立川雅司さんが登壇します。

遺伝子組みかえ食品についての規制をめぐっては、「新しい育種技術」とよばれる技術が遺伝子組みかえ技術にふくまれるのかをめぐって、各国が判断を下しはじめているところ。「新しい育種技術」とは、分子生物学的な手法を組みあわせた品種改良技術のことで、代表例はゲノム編集です。

立川さんは、バイオテクノロジーなどの技術が農業・食料に対して及ぼす影響について、農業・食料社会学的観点から研究している人物。2016年にはJBpress「食の研究所」の取材にも応じています。前篇はこちら後編はこちら

新たな制度や技術というものは、関心をもっていないと、自分の知らぬ間に始まり、気がつけば暮らしのなかに入っているようなもの。このような食をめぐるリスクコミュニケーションの催しものに参加することから、自分の関心が高まっていくということもあるのではないでしょうか。

くらしとバイオプラザ21主催の「リスコミセッション」は、5月18日(金)15:30から16:50まで、東京国際展示場「第23回国際食品素材/添加物展・会議」の「食の安全・科学ゾーンセッション会場」でおこなわれます。聴講は無料ですが、展示会に入るには入場料または招待券が必要です。

「くらしとバイオプラザ21」のフェイスブックによる「リスコミセッション」の案内はこちらです。
https://www.facebook.com/events/314611179063894/

「第23回国際食品素材/添加物展・会議」の公式サイトはこちらです。
https://www.ifiajapan.com

参考資料
JBpress 2018年2月23日付「『遺伝子組換えでない』と言える混入率は何%まで?」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52404
毎日新聞 2018年3月14日付「遺伝子組み換え食品『なし』表示、来年度にも厳格化」
https://mainichi.jp/articles/20180315/k00/00m/040/063000c
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