科学技術のアネクドート

「ジャンボカレー」のカツカレー――カレーまみれのアネクドート(107)


街のなかったところに新たに「ニュータウン」として街がつくられたのが1970年代ごろ。それから40年や50年が経とうとしています。そのくらいの歳月が経つと、ニュータウンには一斉に街の歴史が始まったからこその雰囲気が出てくるものかもしれません。

ニュータウンが開かれたころに開業したカレー店も、いま新たに築こうとしてもなかなか実現できないような店の雰囲気が出るものです。

豊中市・新千里東町の商業施設「せんちゅうパル」に入っている「ジャンボカレー」もまさに、歳月の経ったニュータウンのカレー店としての店構えを感じさせます。

この店は、北大阪急行の千里中央駅のプラットホームが見おろせる通路にならぶ飲食店のひとつ。「せんちゅうパル」とよばれる創業施設の地下1階にあります。駅もこの商業施設も大阪万博が開かれた1970年に開業しました。そして「ジャンボカレー」も駅や商業施設の開業当初から営業していたといいますから、ニュータウンの歴史を築いてきた一要素といえそうです。

店の前には「ようこそジャンボカレーへ」の看板が。「辛口カレー」「ハンバーグカレー」「デラックスカレー」などとカレーの写真が縦よっつ、横よっつ並んでいます。そんななかで「カツカレー」は、最上段の左から二番目という好位置に。定番のカレーのひとつなのでしょう。

店にはカウンター席のみ。わりと高い位置で腰かけるいすがあり、机は銅色が鈍く光るもの。店は「スタンドカレー」の類のひとつといってもよいでしょうか。

カツカレーは、ライス、カレーソース、そして衣を含めて1センチメートルほどの厚さのカツで構成されています。カレーソースには具がなく、素朴な見た目。ポリ容器のなかに入った福神漬も、店の雰囲気に溶けこんでいます。

カレーの味は、とても辛いわけでも、甘すぎるわけでもなく、だれもが受けいれることのできる穏やかなもの。

店がまえも、カレーの中身も、「1970年代に開業したニュータウンの商業施設のカレー店」と言われたとき、裏ぎるような要素がほとんどありません。

千里中央駅は北大阪急行の終点駅でした。しかし、2020年度には、さらに線路が北に伸び、この駅は途中駅となる予定。「終着駅があるニュータウン」という街の位置づけも変わっていくなかで、ニュータウンのカレー店はこれからどのように歩んでいくでしょうか。

「ジャンボカレー」の食べログ情報はこちらです。
https://tabelog.com/osaka/A2706/A270601/27005241/

参考資料
Lament「豊中千里中央 ジャンボカレー」
http://lament.blog.jp/archives/24580716.html
ウィキペディア「千里中央駅」
https://ja.wikipedia.org/wiki/千里中央駅
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