2018.03.11 Sunday
「カレーハウスリオ」の半スパカレーセット――カレーまみれのアネクドート(106)
カレーライスを献立の主として供している店、つまりカレー店では、カレーライスを単品で出すことを基本とし、そこに鶏肉、牛肉、豚肉などの肉の種類を選んだり、カツ、コロッケ、野菜などの盛りつけを好みにより選んだりするというのが基本です。
しかし、なかにはカレーライスに加えてもう一品、主食にもなりうる食べものを添えて、セットとして出す店もあります。中華料理店でいえば、拉麺と炒飯のくみあわせのようなものです。
では、カレーと合う“もう一品”とはどのようなものでしょう。そば屋では、カレーライスとそばのくみあわせは定番ですが、カレー店ではカレーとになにがくみあわせとしてふさわしいのでしょうか。
その答えのひとつが、横浜・南幸の相鉄ジョイナスに構えるカレー店「カレーハウスリオジョイナス店」にあります。
カレーハウスリオは1960年に創業した店。横浜の、気軽に食べられるカレーの店として人びとに親しまれています。
この店の看板的な品のひとつとなっているのが、「半スパカレーセット」です。白い器の広いほうにはカレーライスが、そしてやや狭いほうにはスパゲティのナポリタンが盛られ、さらにサラダとスープもつきます。
店が「カレーとスパゲティーナポリタンのコラボレーションが魅力で、
ボリューム満点のメニュー」と謳っているように、カレーライスに加えてスパゲティとなると、相当な分量。しかし、お腹をすかせたサラリーマンや、学生らしき若い人たちが、この品を注文します。
同店は、「ナポリタン」や「カレーミートソース」といった、スパゲティの料理を単品でも出しています。「半スパカレーセット」が献立に載るのは、必然といえるのかもしれません。
しかし、カレーライスとスパゲティナポリタンのくみあわせには妙(たえ)があります。カレーライスは、明治時代に日本に入ってきて、日本で独自に進化を遂げたもの。いっぽうの、スパゲティナポリタンも、日本で独自に発明された、西洋料理の姿をした日本料理。しかも、発祥地は横浜とされています。
カレーライスもスパゲティナポリタンもじゅうぶん単品でも味わえる食べもの。しかし、このふたつが合わさっても、たがいの個性や特徴を消さないから不思議であり、妙でもあります。
カレーハウスリオジョイナス店の献立情報はこちら。
http://www.curry-rio.co.jp/publics/index/26/