科学技術のアネクドート

膨大な観測データから、オーロラ写真を画素にオーロラを表現


オーロラの生中継プロジェクトなどを手がけている古賀祐三さんの作品展「Beyound the sky 時とデータで紡ぐオーロラ」が、東京・銀座のソニーイメージングギャラリー銀座で開かれています。東京での開催は(2018年)2月1日(木)まで。

オーロラは、太陽からの電気を帯びた粒子が地球の極地などの上空に入ったとき見られる発光現象。古賀さんは1993年3月、旅先のアラスカでオーロラの大爆発を目にし、この現象にとりつかれたそうです。

1999年に起業し、オーロラを世界のだれもが、どこからでも体感できるしくみをつくることを目標のひとつにし、アラスカに観測拠点を設け、オーロラ生中継などにとりくんできました。こうした活動に対して2008年には「科学ジャーナリスト賞」も贈られています。

展覧会では、古賀さんが撮りためてきた膨大な写真や映像のデータから、古賀さんがとくに好きなオーロラの写真を展示。「幻のオーロラ」ともよばれる赤く発光したオーロラが空一面を覆っている写真や、オーロラと火球がいっしょに写った写真などが掲げられています。

また、アラスカの観測所でどのようなシステムを入れて、観測・撮影をしているのか、技術面の解説展示もあります。古賀さんが日本にいても、アラスカの観測所で半自動的にオーロラの観測が続いており、近年は観測装置がオーロラを捉えると、その方向に動画と静止写真の撮影機器が振りむいて撮影するといった技術もとり入れているとのこと。

とりわけ、“魂心ぶり”の伝わる作品が、展示室の正面に掲げられている大パネルのものです。



一見ではわかりませんが、近づいてみると展示作品の1画素ずつが、オーロラの写真になっています。1万8000枚のオーロラ写真を配置することで、大パネルの右下にある小パネル内の写真とおなじ画像となるようにしたとのこと。



10年余年にわたり高精度の観測を続けてきた古賀さんだからこそ実現できた作品です。

展覧会では、2015年に上梓した著書『僕がオーロラを世界にシェアできたわけ 世界初! 10万人で一緒に見られる生中継つくりました』(誠文堂新光社刊)の販売もしています。



古賀さんは展覧会に寄せて「科学技術と自然は相反するものではないと信じています」「未来の子供たちへ、科学技術の意義と同時に自然との共生や畏怖の想いを伝えられることができたら、一人のエンジニアとして嬉く思います」というメッセージを発しています。

古賀祐三作品展「Beyond the sky 時とデータが紡ぐオーロラ」は(2018年)2月1日(木)まで、東京・銀座4丁目の交差点の日産ギャラリーのあるビルの6階「ソニーイメージングギャラリー銀座」にて。11時から19時まで。ソニーによる案内はこちらです。
https://www.sony.co.jp/united/imaging/gallery/detail/180119/

また、2月3日(土)から3月にかけて、福島県郡山市内でも作品展を開催する予定とのこと。今後、古賀さんのツイッターに詳細が出るでしょうから、興味ある方は確認してみてはいかがでしょうか。
https://twitter.com/Live_Aurora?lang=ja
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