科学技術のアネクドート

地球外生命体のいるかもしれない天体を覗く――(3)エンケラドゥス
これまで木星の惑星「エウロパ」と「ガニメデ」を見てきましたが、土星のほうへ移って、土星の惑星「エンケラドゥス」を見てみます。この天体は、いまもっとも地球外生命体がいるのではないかと期待が高まっているものといえます。


エンケラドゥス。右上に見えるのは土星の環。
写真作者:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute

「エンケラドゥス」を発見したのは、ドイツ生まれで英国で活躍したウィリアム・W・ハーシェル(1738-1822)という天文学者。発見は1789年のことでした。

直径は498キロメートルで、月の7分の1ほどしかありませんが、地形は動的です。表面を覆う氷がひび割れており、地下からは氷が供給されて新たな地表をつくっていくという、地球の地殻変動のような現象が見られます。

「エンケラドゥス」に米国航空宇宙局(NASA:National Aeronautics and Space Administration)の土星探査機「カッシーニ」が迫りました。2008年3月、「カッシーニ」の観測で、エンケラドゥスには有機物が存在することが確かめられました。有機物は、生命が存在するための条件のひとつです。

また、2014年4月には、「カッシーニ」が「エンケラドゥス」の地下には液体の海が存在する証拠も発見しました。液体の水もまた、生命が存在する可能性をおおいに高めるものです。その後、2015年には「エンケラドゥス」の氷の下の海がこの天体全体を覆っていることがわかったとも同局が発表しました。

さらに2017年4月、「エンケラドゥス」の海底には、熱水噴出孔がある可能性が高いことが明らかになりました。熱水噴出孔とは、地熱で熱せられた水が噴出する割れ目のことです。同局の発表によると、「カッシーニ」が2015年に近づいて採取した気体のなかに、微量な割合で水素が含まれていました。気体に水素が混ざっているということは、「エンケラドゥス」の内部から、つねに水素が供給されるところがあることになります。海から熱水が噴出していることの可能性を高くします。

地球における海底の熱水噴出孔のまわりは、初期生命の誕生した場所であるという考えかたがあります。それを「エンケラドゥス」に当てはめると、氷の下に広がる海に、生命体がいるのではないかと期待できるわけです。

「カッシーニ」は、以前に「エンケラドゥス」の気体にはメタンが含まれていることも観測していました。2015年の観測では、水素のほかに二酸化炭素も見つかっているので、水素と二酸化炭素が反応してメタンが生まれているということも考えられます。

メタンや水素は、初期生物がエネルギーを得るための“餌”となるものです。これらの話からすると、この天体では生物が存在するための条件が揃っているといえるでしょう。

参考資料
GIZMODO 2017年4月14日付「土星の月『エンケラドゥス』、生命体存在の可能性が高まる。NASAから重大発表」
http://www.gizmodo.jp/2017/04/enceladus-has-basic-ingredients-for-life.html
SORAE.jp 2017年4月14日付「NASA重大発表:土星衛星『エンケラドゥス』に生命の可能性 熱水噴出の証拠発見」
http://sorae.jp/030201/2017_4_14_nasa.html
ハフィントンポスト 2017年4月14日付「エンケラドスに深海生物? 土星の衛星で『熱水噴出』の形跡」
http://www.huffingtonpost.jp/2017/04/13/enceladus_n_16002834.html
朝日新聞 2017年5月13日付「(いちからわかる!)土星の衛星に地球外生命の可能性?」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12934760.html
ウィキペディア「エンケラドゥス (衛星)」
https://ja.wikipedia.org/wiki/エンケラドゥス_(衛星)
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地球外生命体のいるかもしれない天体を覗く――(2)ガニメデ
木星の衛星では「エウロパ」のほかにもうひとつ、「ガニメデ」にも生命体が存在する可能性があると考えられています。


ガニメデ
写真作者:NASA/JPL

「ガニメデ」は、イオ、エウロパ、カリストとならぶ、木星の「四大衛星」のひとつ。エウロパとおなじく、イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)が1610年に発見しました。

太陽系の惑星では、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星に衛星があります。なかでも「ガニメデ」は、太陽系でもっとも大きな衛星で、半径は2634キロメートル。惑星である水星よりひとまわり大きい天体です。月が地球のまわりを一周するように、「ガニメデ」は木星のまわりを約7日かけて一周します。

生命が存在するための条件のひとつが、水があることです。天文学者は、かねてから「ガニメデ」の地下には海があるのではないかと見ていました。

それを決定づけたのが「ハッブル宇宙望遠鏡」による観測です。「ガニメデ」のまわりに発生するオーロラの変化のしかたを観測することにより、海が存在する可能性を高めたといいます。

オーロラは、その天体に磁界がないと生じません。「ガニメデ」は太陽系の衛星でただひとつ、磁界をもっている衛星とされています。「ガニメデ」でのオーロラは、地球のとオーロラとおなじく太陽から届く電気を帯びた粒子とともに、木星の磁界の影響をも受けて、揺れうごきます。

計算によると、もし「ガニメデ」の地下に海がないとしたら、オーロラの帯の揺れ幅は約6度になるものの、ハッブル望遠鏡の観測では揺れ幅は約2度に収まっていたとのこと。

塩水の海があるとそれ自体が磁界となり、「ガニメデ」の磁界との間で摩擦が生まれる結果、オーロラの揺れ幅が小さくなることが解明されています。このことから、「ガニメデ」の地下には海が存在するらしいと考えられているのです。

この観測成果が米国航空宇宙局(NASA:National Aeronautics and Space Administration)の研究者たちに発表されたのは、2015年3月のこと。その海の状態は、分厚い氷の下にあることや、液体の状態を保てることくらいしかわかっておらず、解明がつづきます。

参考資料
AFP BB NEWS 2015年3月13日付「木星最大の衛星ガニメデに地下海、オーロラ観測で確認 NASA」
http://www.afpbb.com/articles/-/3042350
TOKYO EXPRESS 2015年3月25日付「木星最大の衛星『ガニメデ』には広大な海が存在」
http://tokyoexpress.info/2015/03/25/木星最大の衛星「ガニメデ」には広大な海が存在/
国立天文台「惑星の衛星数・衛星一覧」
http://www.nao.ac.jp/new-info/satellite.html
スーパー大辞林
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地球外生命体のいるかもしれない天体を覗く――(1)エウロパ
近ごろ、地球外生命をめぐる本やテレビ番組の特集がよく見られます。

昔から「地球以外にも生命体はいるのか」といったことが、話題になってはいました。しかし、このところは「地球以外の生命体はどこにいるのか」といった話題に変わりつつあります。生命が誕生するのに適する環境の条件がわかってきたことや、太陽系の惑星のまわりにある衛星、それに太陽系外の惑星やその衛星の観察などの技術が進んだことが背景にあります。だんだんと「見えてきた」ため、「いる」という期待も膨らんでいるわけです。

では、実際に、どの天体に「地球外生命体がいるのではないか」といわれているのでしょうか。それぞれの天体を整理してみます。

地球から近いところでは、木星の惑星「エウロパ」に、地球外生命体が存在するという期待がもたれています。


エウロパ
写真作者:NASA/JPL-Caltech/SETI Institute

エウロパは、1610年、イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)が発見した、木星の衛星です。木星には、2015年までに69個の衛星が見つかっていますが、「四大衛星」といわれるのが、イオ、エウロパ、カリスト、ガニメデです。エウロパは半径1565キロメートルで、この4個のなかでは最小の衛星です。

どうして、エウロパに地球外生命体の存在への期待がかかるのか。大きくは、エウロパが生命が生きるうえで必要とされる、水、エネルギー源、それにいくつかの化学物質が揃っているからです。

エウロパの表面は、厚い氷で覆われています。さらに、木星の重力による影響などで、潮汐加熱という熱が発生し、これが氷をとかしています。氷の下は、大きな海が広がっていると考えられています。

また、エネルギー源の発生についてはどうかというと、水素の存在が注目されています。地球の一部の微生物では、水素をエネルギー源として生きているものがあるためです。

実際、エウロパでは、水素の発生の証拠のひとつとなる「蛇紋岩化作用」という作用があると考えられています。この作用は、マグネシウムに富む鉱物が、蛇紋石という岩石に変化するもの。この作用のなかで、液体水素がつくられます。

こうしたことから、エウロパに地球外生命体がいるという期待がかかっています。

米国航空宇宙局(NASA:National Aeronautics and Space Administration)は、2020年代にエウロパを探査する宇宙機「エウロパ・クリッパー」を打ちあげる予定です。生命の存在に欠かせないと考えられる、水、エネルギー源、そして化学物質の存在を詳しく調べようとしています。

参考資料
CNN 2017年4月14日付「地球外生命の可能性、木星と土星の衛星が有力に NASA」
https://www.cnn.co.jp/fringe/35099802.html
WIRED 2016年6月19日付「木星の衛星『エウロパ』の海は、生命を生み出しうる:研究結果」
http://wired.jp/2016/06/19/oceano-europa-chimica-vita/
BBC NEWS JAPAN 2017年4月14日付「土星の衛星に『生命育む環境』 米NASAなど水素分子を確認」
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-39597609
岩石学辞典「蛇紋岩化作用」
https://kotobank.jp/word/蛇紋岩化作用-780431
ウィキペディア「エウロパ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/エウロパ_(衛星)
AstroArts 2017年3月23日付「エウロパ探査計画の正式名称は『エウロパ・クリッパー』」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/9023_europa_clipper
| - | 20:42 | comments(0) | trackbacks(0)
「デニーズ」のハンバーグカレードリア――カレーまみれのアネクドート(96)


デニーズは、子どももお年寄りもいるファミリー向けとは一線を画すカレーの料理を出しています。「カレーまみれのアネクドート」でも「インド風デリチキンカレー」と「マッサマンカレー」を紹介してきました。

そうしたなか、デニーズが2007年11月に登場させ10年目を迎えたカレー料理が、「ハンバーグカレードリア」です。情報によると、これまで1100万食以上を売ったとのこと。1日で3000食以上、1店舗では10食以上が出ていたことになります。

2017年3月には、「ハンバーグカレードリア」に「新・合挽きハンバーグ」を使いはじめたとのこと。このハンバーグは、豪州産ブラックアンガス牛と国産豚の合挽きで、デニーズによると「配合比率を新たに見直すことで、肉本来の美味しさを最大限に引き出す独自比率が実現」したとのこと。

そのハンバーグは、皿底にある白いライスと、上に乗っているチーズに挟まれています。そして、ふんだんにカレールゥがかけられています。ライスはおろか、ハンバーグもかなりの部分、隠れています。

一般的に、ハンバーグカレードリアのハンバーグカレーとのちがいは、チーズを入れてオーブンレンジなどで加熱するかどうか。この料理行程を踏むことで、はじめからハンバーグとライスとカレーが一体化します。

デニーズのハンバーグカレードリアも、たしかにハンバーグの部分を食べていながら、チーズやカレールゥ、そしてライスまでもが必然的にからまり、渾然一体となった味を楽しめます。

カレールゥはさほど辛くはないので、大人向けに対象を絞った期間限定のカレー料理などよりも、より多くの世代に向いたカレー料理といえましょう。しかし、分量は、ハンバーグ自体が大きいため、全体としては多め。この点では、大人向けといえるかもしれません。

デニーズのサイトにある「ハンバーグカレードリア」の紹介はこちらです。
http://www.dennys.jp/menu/hamburg/hamburgcurry-doria/

ちなみにランチの「昼デニセット」で「ハンバーグカレードリア」とサラダのセットを注文したある客は、「ライスはついていないのですか」と店員に聞き、店員から「ハンバーグの下にかなりのライスが入っていますが。ドリアですので」と言われ、顔を赤くしたそうです。

参考資料
都道府県別統計とランキングで見る県民性「デニーズ店舗数 2015年第一位 東京都」
http://todo-ran.com/t/kiji/11365
セブン&アイ・フードシステムズ 2017年2月28日発表「デニーズの新・合挽きハンバーグ登場」
http://www.7andi-fs.co.jp/7fs/pdf/170228-2.pdf
| - | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0)
企業経営者「持続可能な開発目標」の対応にこれから追われそう
企業の経営者たちは、会社の製品の売れゆきや株価だけでなく、世界で提唱されている政策や考えについても敏感でなければなりません。グローバル化の時代だといわれれば自社のグローバル化について考えなければなりませんし、ダイバーシティ重視の時代だといわれればダイバーシティとはなにかを理解しなければなりません。

2015年には、あらたに「SDGs」とよばれる「目標」が世界的に立てられました。今後、経営者たちはSDGsについても敏感になることが、より求められていきそうです。

SDGsとは、“Sustainable Development Goals”の頭文字などをとったもので、日本語では「持続可能な開発目標」とよばれています。

2015年9月25日、米国ニューヨークの国連本部で開かれた「持続可能な開発サミット」で、国連加盟国は「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択しました。アジェンダとは行動計画のことです。このアジェンダに盛りこまれたのが「持続可能な開発目標」です。この目標は、政策や資金確保の指針となる、つぎの17項目からなりたっています。


持続可能な開発目標17項目のマーク

 目標1:貧困をなくそう
 目標2:飢餓をゼロに
 目標3:すべての人に健康と福祉を
 目標4:質の高い教育をみんなに
 目標5:ジェンダー平等を実現しよう
 目標6:安全な水とトイレをみんなに
 目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
 目標8:働きがいも経済成長も
 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
 目標10:人や国の不平等をなくそう
 目標11:住み続けられるまちづくりを
 目標12:つくる責任 つかう責任
 目標13:気候変動に具体的な対策を
 目標14:海の豊かさを守ろう
 目標15:陸の豊かさも守ろう
 目標16:平和と公正をすべての人に
 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

これらからなる「持続可能な開発目標」の理念は、2012年にブラジルのリオデジャネイロでおこなわれた「国連持続可能な開発会議」で生まれたもの。環境と社会と経済というみっつの次元の均衡をとることがめざされました。

また、「持続可能な開発目標」は、2000年9月に世界各国が合意した、「極度の貧困と飢餓の撲滅」や「普遍的な初等教育の達成」など、8個の具体的目標が盛りこまれた「ミレニアム開発目標」を引きついだものでもあります。

日本の企業における「持続可能な開発目標」の認知度はどのくらいのものか。2016年9月に、地球環境戦略研究機関とともに、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンが加盟233企業・団体に調査したところ、回答のあった147社のうち「持続可能な開発目標」の行動指針を参考に活動していたのは、およそ3分の2にあたる99企業・団体だったとのこと。

ただし、活動のうち半分は「持続可能な開発目標を理解する」といった初期段階のものにとどまっていたといいます。また経営層の「持続可能な開発目標」の認知度は28パーセントだったといいます。

企業の社会的責任について敏感になっているなか、企業によっては掲げられた各目標に向けてこれまでもとりくんできたというところもあるでしょう。「あらためていわれなくても、やっていますから」ということです。

いっぽうで、利益をあげることを最優先に考えてきた企業やその経営者にとっては、これまで考えてこなかった「目標」もあることでしょう。

企業のグローバル対応や、ダイバーシティ化とおなじように、「まわりの企業がSDGsにとりくんでいるから、うちもやっている姿勢を見せなければ」と動きはじめる企業はこれから出てきそうです。

参考資料
国連開発計画 駐日代表事務所「持続可能な開発アジェンダ」
http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sdg.html
国連開発計画 駐日代表事務所「持続可能な開発目標(SDGs)」
http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sdg/post-2015-development-agenda.html
朝日新聞 2017年4月11日付「SDGs、日本企業は『これから』 シンクタンク初調査」
http://digital.asahi.com/articles/ASK476RTCK47ULBJ01B.html
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演技を競う自転車競技「BMXフリースタイル」が東京五輪で新種目に


写真作者:Emilio Küffer

2020年の東京五輪で行われる競技と種目が(2017年)6月9日(金)までに決定しました。

新種目として、バスケットボール3人制や、柔道混合団体などが決まりました。そして、自転車競技では「BMXフリースタイル」という新種目もおこなわれることが決まっています。

自転車競技は、水泳の49種目、陸上の48種目につぐ、22種目でおこなわれます。具体的には、「トラック」12種目、「ロード」4種目、「マウンテンバイク」2種目、「BMXレーシング」2種目、そして新種目「BMXフリースタイル」の2種目で、合わせて22種目。すべて偶数なのは、男子と女子があるからです。

「BMX」は“Bicycle Motocross”を縮めたもので、日本語では「バイシクルモトクロス」といいます。“X”は線が交差している形をしていることから、これで“cross”を表しています。

BMXで「自転車のモトクロス」となるわけです。では「モトクロス」とはというと、もともと山林や原野で悪路や急坂を走って時間を競う二輪競技のことをさします。オートバイでもおこなわれていることから、「自転車」の意味の「バイシクル」を冠したのでしょう。

BMXレーシングのほうは、2008年の北京五輪からおこなわれています。下り坂の途中に設けた出発地点に、自転車に乗った選手たちが横一列に並び、車止めが一斉に解かれるとスタート。その後、選手たちは下り上りの坂道で自転車を操って、飛びはねつつ前進し、用意された曲路では擂鉢状の傾斜を曲がりながらゴールをめざします。1着でゴールした選手が優勝です。

いっぽう、新種目のBMXフリースタイルは、演技を競う種目です。近いのは冬季競技のフィギアスケートであり、制限時間内に選手が自転車に乗って技をくりだし、それを採点者が採点します。

技をくりだすためのきっかけとなるのが、競技場に複数、置かれた台です。勢いをつけてこれらの台を超えるとき、空中に高く飛びはねることができるので、そのとき技を出します。技には、空を飛ぶような姿勢をとる「スーパーマン」、後ろ宙がえりをする「バックフリップ」、縦方向にも横方向にも回転をする「フレア」などがあります。

BMXで使う自転車のかたちは、トラックやロードなどのほかの自転車競技の種目で使うものとかなりちがっています。タイヤの径が小さく、またサドルはやや上に傾いています。また、足をペダルのほか前輪や後輪の軸にかけて“曲乗り”もするため、ペグとよばれる出っぱり棒が前輪と後輪の軸についています。

競技中は、とにかく飛びはねることが多いため、軽さや衝撃への強さが求められます。フレームやフォークには、鋼、アルミニウム、チタン、カーボンなどが使われます。

なお、自転車競技とは別競技のトライアスロンでも、スイム(泳ぎ)とラン(走り)のあいだでバイク(自転車漕ぎ)があり、自転車が使われます。

参考資料
サイクリスト 2017年6月13日付「これが東京五輪メダル狙うBMXフリースタイル・パーク演技 15歳中村輪夢が公開練習」
http://cyclist.sanspo.com/339676
ウィキペディア「BMX」
https://ja.wikipedia.org/wiki/BMX
自転車探検!「自転車の種類」
http://www.geocities.jp/jitensha_tanken/bicycle_type.html
初心者のためのBMX講座「フレームに用いられる素材」
https://bmx11f.wordpress.com/bmx集中講座/フレームに用いられる素材/

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6月の富士山雪景色「初冠雪」の可能性は小

画像作者:政輝 Dustin 翁 Oung

きょう(2017年)6月19日(月)、富士山の頂上あたりでは雪が降ったようです。富士山の近くにいる人たちからは、「富士山に雪が降って山頂が少し白くなっていました」「富士山が酔っ払って積雪のスイッチを間違って押したようです!」などとインターネットに発信がありました。

富士山のまわりの河口湖では19日の最高気温が27.1度。また静岡では26.2度、甲府では32.5度などとなりました。しかし、富士山頂では、18日の午後から19日の午前にかけて、氷点下を記録していたようです。そこに雨雲がかかり、雪となったとみられます。

しかし、富士山で夏のこの時期に雪が降ることは、そうめずらしくはないようです。6月に富士山に雪が降る日は平均5日以上あり、6月でも平均1日以上はあるといいます。

雪が降って山にかぶさることを「冠雪」といいます。そして、富士山の観測をおこなっている甲府地方気象台によると、「山の一部が雪等の固形降水により白くなった状態が初めて見えたとき」を「初冠雪」といいます。

では、この時期に富士山に雪が降って、山頂あたりが白く見えることを「初冠雪」というのでしょうか。

富士山の初冠雪については、つぎのように定めているようです。

「その年の日平均気温が最高となった日よりも後で、初めて観測された冠雪が、初冠雪」

つまり、その年、富士山でもっとも暑かった日を境目とし、その後、初めて冠雪した日こそが、初冠雪の日となるわけです。

いっぽう、その年の最後の雪を「終雪」といいます。富士山の場合、やはり、その年もっとも暑かった日を境目とし、それより前の日々のなかで最後に雪が降った日が、終雪の日となるわけです。

このことからすると、その年の富士山における終雪や初冠雪は、その年が終わってみてからでないと確定できないということになります。

きょうの富士山の冠雪は、きょうよりあとに平均気温が今年最高となる日が来れば、終雪となる可能性があるし、きょうよりあとに平均気温が今年最高となる日が来なければ、初冠雪となる可能性があるわけです。

富士山ではおととい17日(土)、日の平均気温が4.8度となり、これが2017年の、いまのところでのもっとも暑かった日となっています。

いっぽう、8月になると、富士山の平均気温は6度を超えます。これから先、8月にかけて、日の平均気温が最高となる日が生じるのは確実ということから、民間の気象情報提供企業ウェザーニュースは「富士山が雪化粧 初冠雪ではありません」と断言しています。

甲府地方気象台によると、富士山の初冠雪は平年だと9月30日ごろ。もっとも早かったのは2008年の8月9日、もっとも遅かったのは昨2016年の10月26日だったとのことです。

参考資料
気象庁「雨・雪について」
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq1.html
富士山NET「夏に降る雪」
https://www.fujisan-net.jp/data/article/1122.html
甲府地方気象台「初冠雪の記録(甲府)」
http://www.jma-net.go.jp/kofu/menu/siryo_hatsukansetsu.html
東洋経済オンライン 2016年1月27日付「あなたは『雪』の奥深さを知っていますか」
http://toyokeizai.net/articles/-/101976?page=4
ウェザーニュース 2017年6月19日付「富士山が雪化粧 初冠雪ではありません」
https://weathernews.jp/s/topics/201706/190035/
気温と雨量の統計のページ「静岡県 富士山の気温、降水量、観測所情報」
https://weather.time-j.net/Stations/JP/fujisan
気象庁「富士山 2017年6月(日ごとの値)主な要素」
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=50&block_no=47639&year=2017&month=6&day=17&view=
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ガラパゴス化が進み「留学経験を家で」という未来も

ガラパゴス島
写真作者:pantxorama

日本国内でものやサービスの性能が日本独自に高まって、国際的な標準からかけはなれていく社会現象を「ガラパゴス化」といいます。ガラパゴス島は大陸とは隔絶された場所であり、ここで動物たちが独自に進化していったことにたとえたことばです。

ガラパゴス化の例としてよくとりあげられるのが携帯電話でした。日本の携帯電話製造企業は日本人向けにさまざまな機能をつけ加えていきました。かたや世界では、それらの機能は必要ないとみなされ、世界シェアをフィンランド、韓国、米国などの携帯電話製造企業に奪われていったのでした。

携帯電話にかぎらず、ガラパゴス化は暮らしのさまざまなところで起きています。たとえば、フィルム袋の端のどこからでも切れるマジックカットは日本企業が開発したもの。当然、企業は日本人にとっての便利さを考えていたことでしょう。また、容器入り納豆のたれに固形のものができたのも、おなじようなことがいえそうです。

企業は努力を重ねて、ものやサービスに新しい便利さを加えていきます。いっぽう、消費者はその商品やサービスに出合う場合もあえば、出合わない場合もあるので、“進化”をすごく感じるということはあまりありません。暮らしのなかでは「あ、なんか便利になったな」と気づくか気づかないかの経験が積もっていき、いつのまにか便利の度合が進んだ社会になっているのです。べつの表現をすれば「かゆいものに手が届く社会」が極まっていくわけです。

いつのまにか便利の度合が進んでいた日本を感じられるのは、海外に行ってしばらく生活をするときでしょう。日本ではあたりまえだったマジックカットも固形たれも、海外ではあたりまえではないので、日本人にとっては昔の生活状態に戻ります。

そうした「日本は日本人向けに便利の度合が進んだ社会である」という情報は、情報社会のなかで知れわたっています。となると、日本にいることの居心地のよさを捨てて、海外に留学をしたり海外で経験を積んだりすることをためらう人も出てくるでしょう。

「海外での経験は得がたいもの。海外に行かなければ得られない」ということがむかしからいわれてきました。

しかし、「海外経験」でさえも、インターネットの発達によって、すこしずつ日本国内で、極端な話、家のなかですることができるようになってきています。将来、人に仮想現実を体験させる技術が進んでいけば、「駅前留学」ならぬ「家庭内留学」を謳う教育サービス業も出てきそうです。海外留学経験を「現地でなさいますか、それともご自宅でなさいますか」と聞いてくるような。

将来、国内外の情報媒体は「ガラパゴス化した日本では、海外経験を国内で味わうための技術やサービスが、独自に進化を遂げている」といったことを伝える機会が出てくるのかもしれません。それはそれで、人びとの需要を満たして成立するのであれば、だれもそのガラパゴス化を止めることはできません。

参考資料
知恵蔵「ガラパゴス化」
https://kotobank.jp/word/ガラパゴス化-188972
WWFジャパン「外来種とは?」
https://www.wwf.or.jp/activities/wildlife/cat1016/cat1100/
太田浩「日本人学生の内向き志向に関する一考察」
http://www.jasso.go.jp/ryugaku/related/kouryu/2014/__icsFiles/afieldfile/2015/11/18/201407otahiroshi.pdf
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人材マッチング機能では「姿勢」の明示が大切


以前、このブログに「紹介により発注先が決まる仕事の難易度は高い」という記事がありました。「だれかの紹介」で始まる仕事の成功率はそう高くはないのではないかという話です。

「だれかの紹介」で始まる仕事では、発注する側と、仕事を受注する側の「依頼する・される」の立場関係があいまいとなり、おたがい自分のほうが相手より“上”の立場だと思うような関係に陥ってしまうおそれがあるからです。

となると、「だれかの紹介」によらずに始まる仕事のほうが、成功率は高くなるということになるはずです。つまり「仕事を依頼する・される」で始まる仕事か、または「仕事をさせてあげる・させてもらう」で始まる仕事のほうが、おたがいの立場が明らかになって仕事をしやすくなるというわけです。

とはいえ、発注側がどんな人に発注をするかを検討して決めるのは、なかなかむずかしいもの。かたや受注側にとっても、発注側の「こんな仕事を求めているのか」といった需要を感じとったり、営業をかけたりするのはたいへんなもの。

そこで、仕事をしてほしい発注側と仕事を受けたい受注側おたがいの需要を合わせる手段として、「マッチング機能」のある“場”が世の中には存在します。

こうした“場”を提供する組織のひとつに「人材バンク」があります。人材バンクは、法律のもと厚生労働大臣の許可を受けている民間の職業紹介会社のこと。正式には「職業紹介事業所」といいます。

厚生労働省が2016年12月につくった「職業紹介事業パンフレット」によると、有料の人材バンクがおよそ1万8000か所、無料の人材バンクがおよそ1000か所あります。人材バンクでは、バンクに登録した求職者に対して、求人情報の提供があったり、面接の設定サービスがあったりします。

また、職業紹介事業所として認められていなくても、「自分はこんな仕事をしてきました。特技はこんなことです」といった自己紹介の情報を“場”に掲げて、仕事を発注する側に情報として示すといった方法もあります。

たとえば、マスコミ駆け込みクラブが運営する「東京ライターズバンク」は、入会金と年会費を払ったライターなどの登録会員のプロフィールを掲げ、出版社や編集プロダクションなどからの求人依頼を得るというもの。

また、クリエーターエージェントが運営する“QREATORS”というサイトは、やはり登録された「クリエイター」の情報を掲げて、仕事を依頼する側に、各「クリエイター」のことを知ってもらい、依頼をしてもらうためのもの。「科学」「経済」「料理・食」といった「カテゴリ」から選択することができます。また、登録されている「クリエイター」のページでは、最近の活動ぶりをリンクを貼って示しています。

仕事を依頼する側と依頼される側が出会って仕事をしていく。そこでのマッチングが成功すれば、「だれかからの紹介」であっても、「マッチング機能の利用」であっても、マッチングの方法はなんであってもよいものといえます。

問題は、マッチングが成功せず、依頼した側が期待してたほどの仕事の成果が得られなかったと思ったときや、依頼されたが側が作業量の対価を得られなかったと思ったときです。

“場”を提供する団体や会社が、どこまでマッチングについて面倒を見るのかを示しておくことは大切です。「優れた人材がたくさんいるから、なんでも相談してね」という姿勢をとるのか、「御社がご自身の判断で人材を選んで連絡してください。当社はトラブルの責任を負いません」という姿勢ととるのか。どちらにしても、こうした“場”を利用する人たちに、その姿勢がはっきりわかるようにしなけばなりますまい。

参考資料
日本大百科全集「人材バンク」
https://kotobank.jp/word/人材バンク-180639
厚生労働省「職業紹介事業パンフレット」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000116944.pdf
NPO法人 マスコミ駆け込みクラブ
http://www.masukomi-kakekomi.com/index.html
QREATORS
http://qreators.jp
| - | 19:10 | comments(0) | trackbacks(0)
1971年から呼ばれている「グラン」も
きのう(2017年)6月15日付のこのブログの記事「『グランフロン』でも『グランドフロント』でもなく」では、製品やサービスなどにおける「グラン」というよび名の流行ぶりなどをテーマとしました。

「グランフロント大阪」など、さまざまな「グラン」に触れたうえで、元祖「グラン」として、プロレスラーのグラン浜田さんを紹介しました。1975年から「グラン」を名乗りはじめたといいます。

しかし、忘れてはなりませんでした。元祖「グラン」的存在が、もうひとつありました。大阪・東野田町には「京橋グランシャトービル」がおまっせ。

このビルは、パチンコ、ゲームセンター、麻雀荘、キャバレー、カラオケフロア、サウナなどが入っている総合レジャー施設です。大阪をはじめ関西圏では、「京橋はええことだっせ……グランシャトーへいらっしゃい」と歌うテレビのコマーシャル・メッセージや、天気予報の背景映像などでよく知られています。


京橋グランシャトービル
写真作者:Sotaro OMURA

このビルの開業は1971年。台湾出身の実業家で、雑貨商などで蓄財した林宗恩さんが開業させました。

京橋グランシャトービルを撮した写真などからは、ローマ字でのロゴタイプはなかなか見当たりません。しかし、「シャトー」がフランス語で「城」や「宮殿」を意味する“Château”であると考えられることから、「グラン」もフランス語の“Grand”であることは明らか。ウィキペディアの「京橋グランシャトービル」の項目では、やはり“Kyobashi Grand Château”となっています。

さらに、「グランシャトー」の命名については、ビルの建設中に林さんが公募をして、決めたといいます。応募した人たちのなかには、「グラン」というよび名に対する先見の明があったのでしょうか。想像がふくらむいっぽうで、フランスにあるタンレ城の主となる建てものは“Le grand château”(ル・グラン・シャトー)とよばれていることから、これをモデルにしたとも考えられます。


タンレ城の「グラン・シャトー」
写真作者:Myrabella / Wikimedia Commons

ということで、グラン浜田さんが「グラン」を名乗るよりも4年前には、建てもののよび名に「グラン」が使われていたことになります。

大阪の人に「『グラン』といえば」と聞けば、「グランシャトー」と答えるでしょうか。「グランフロント」と答えるでしょうか。あるいはプロレスラーはプロレスラーでも、みちのくプロレスの故「愚乱・浪花」さんを思いつく人もいるかもしれませんが。

参考資料
グランシャトービル
http://www.kyo-bashi.com/index.html
ウィキペディア「京橋グランシャトービル」
https://ja.wikipedia.org/wiki/京橋グランシャトービル
朝日新聞 関西 2011年2月2日付「京橋グランシャトー 昭和の男 いらっしゃい」
http://www.asahi.com/kansai/travel/kansaiisan/OSK201102020077.html
wikipedia「Château de Tanlay」
https://fr.wikipedia.org/wiki/Château_de_Tanlay
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